レインボーさいたまの会は、令和3年度さいたま市男女共同参画推進センター公募型共催事業として「にじいろシネマ」(4回シリーズ)を開催しています。
「にじいろシネマ」は、LGBTをテーマとした映画鑑賞会です。「誰ひとり取り残さない」というSDGsの考え方が広く認知され始める中、LGBTQに関わる課題が国際的に広く議論されるようになってきています。これは国連の掲げる17のSDGsのうち、1. 貧困をなくそう、2. すべての人に健康と福祉を、4. 質の高い教育をみんなに、5. ジェンダー平等を実現しよう、8. 働きがいも経済成長も、10. 人や国の不平等をなくそう、11. 住み続けられるまちづくりを、16. 平和と公正をすべての人に、という目標に関わるLGBTQ関連課題の多面性が広く周知されてきた現れであるとも理解できます。本シリーズではLGBTQ/性的マイノリティを題材とした映画とテーマに沿ったディスカッションを通じて、当事者たちが未だに直面する差別や偏見などの具体的な諸課題にスポットを当てます。
4回シリーズの第3回目では、2017年トライベッカ・フィルムフェスティバル、シアトル国際映画祭、サンフランシスコ国際LGBTQ映画祭を始め、多くの映画祭で公式セレクションとして上映され、ロサンゼルスOutFest映画祭で特別賞、GAZE国際LGBTQ+映画祭でドキュメンタリー部門賞を受賞した『マーシャPジョンソンの生と死』を上映いたします。
女装をしているというだけでトランスジェンダーが社会や警察から不当な暴力や扱いを受けていた時代に、LGBTQ+の人権を求め声を上げた人々の中でも社会に大きな影響を与えた活動家マーシャPジョンソン。本作品ではその波乱に富んだ生き様と、未だ解明されない不審な死の真相を、自身もトランスジェンダー活動家で激化する差別と戦い続けるビクトリア・クルスが追います。長年様々な暴力に晒され社会の制度からも見捨てられて多くのトランスジェンダーの多くがそうであったように、マーシャも精神的困難や貧困とも戦っていました。それでもなおLGBTQ+の人権のために戦い続けた活動家の原動力は何だったのか、マーシャの死後30年の時を経て何が変わり、何が変わっていないのか。今日を生きるLGBTQ+当事者が歩く「道」がどのようにスタートしたのかを知ることは、SDGs実現の展望に向けて一筋の希望の光を投じるに違いありません。
※2020年2月1日に、ニューヨーク知事アンドリュー・クオモはブルックリンのイースト・リバー・パークをマーシャの功績を称えて「マーシャ P. ジョンソン州立公園」と改名することを発表しました。 また、マーシャを讃えるモニュメントがグリニッジ・ヴィレッジのストーンウォール・インの近くに設置されることが発表され、2021年中に完成する予定です。
上映後には、参加者同士で感想を共有し、映画が問いかけるテーマについて理解を深めることを目指します。映画を通じて性的少数者に関する課題に接し、かれらの問題を「自分ごと」として捉えることを目標とします。性的少数者を取り巻く社会問題だけではなく、よりよい地域社会をつくることに関心のあるみなさまのご参加をお待ちしています。
<上映作品>
日時:11月27日(土)14:00〜 オンライン開催
『マーシャPジョンソンの生と死』
監督 デヴィッド・フランス(2017年製作/105分/アメリカ/ドキュメンタリー)
◇公式webサイト: http://www.marshapjohnsonmovie.com/
◇お申し込みURL: https://nijiirocinema-211127.peatix.com/
<参加費> 無料
*第3回にじいろシネマは、オンラインで実施します。(第4回の上映方法については、社会情勢を鑑み、1ヶ月前までに当会ホームページ・SNS等でご案内します。)